ホームページ作成において最も重要なコンセプトワーク

2016.08.18

目的の明確化

ある経営者からこんな相談を持ちかけられました。
「ホームページを立ち上げてから5年になるんですが問い合わせが全くないんです・・・」
私がそのホームページを見てみると、すぐに、あることが分かりました。
そして・・
「このホームページは何を目的として作りましたか?」
と、聞くと、あれもしたい、これもしたいと目的がたくさん出てきました。
ここなんです。
上手くいっていないホームページは、目的をたくさん詰め込んだものになっています。

「すべての物事において一番重要なのは、目的の明確化」

人生においても経営においても、事を起こすには目的を明確にして一つに絞り込む事が重要なのです。

それではホームページを作る目的は?
色々あります。

・会社の考え方を伝えたい
・求人がしたい
・お客さんに商品、サービスを知ってもらいたい
・とりあえず会社案内のインターネット版
・カッコいいデザインにして会社のイメージや信頼度をアップしたい
・会社の売り上げを上げたい
など・・・
このようにたくさんの目的がありますが、今回は『会社の売り上げを上げる』という目的に絞り込んで説明をしていきます。

 

重要なコンセプトワーク

ホームページを作る時、いろいろな事を考えて進めていきます。
「集客の方法は?どのような情報を掲載する?デザインは?色合いは?・・・」
と。
それらも重要なのですが、一番重要なのは「コンセプトワーク」というものです。
コンセプトワークとは、木でいえば根っ子に相当する大事な部分です。
コンセプトワークを基本として、その上に色々なものを積み上げていきます。
ホームページを制作したり改善していく上において、様々な事柄を判断するときに、必ずこのコンセプトワークを参考にします。
コンセプトワークはSWOT分析や3C、4P、5フォースなどを使用して現状を把握し、作り上げていきますが、今回は

1、目的
2、目標
3、ターゲット
4、決め手となる切り口
5、強み(優位性)
6、ゴール
7、キーワード

この7つについて、事例を交えながらご説明していきます。

 

目的

ホームページの目的を「あれもしたい、これもしたい」とたくさん設定すればするほど、結局は何も伝わらないホームページになってしまいます。
目的を一つに絞り込む事によって、より響くホームページになります。

例:「ホームページから、防犯カメラ無料お試しの問い合わせを取得する」

このように、一つの目的に絞り込む事によって、より分かりやすく、より伝わるホームページとなるのです。
ホームページの制作時、お客さんとの打ち合わせでよくあるのが、この『目的がハッキリしていない』『あれもこれもとたくさんある』といった場面です。
その部分をいい加減にしたまま進めても、上手くいくことは絶対にありません。
目的の明確化はもっとも重要なのです。

 

目標

目標とは、具体的な数値の事です。
先ほど設定した目的に対し、それを月間何件取得するか、といったものです。

例:「一か月に防犯カメラ無料お試しの問い合わせを20件取得する」

具体的に数値目標を設定することにより、打つべき手段が明確に見えてきます。

 

 

例えば、今あるホームページに、月間3,000件の訪問者がいて、最終のゴールに10人が到達しています。
それを目標のゴール20件に引き上げるためには、6,000件の訪問者に増やさなければなりません。
そこでSEO対策やPPC広告、コンテンツマーケティングなどといった施策をどのように展開していけばいいのか?といった具体的な対策が見えてきます。

 

 

この場合、月間3,000件の訪問者はそのまま維持し、ページを改善することで目標のゴール20件を達成するために、ランディングページの直帰率を見ながら流入キーワードに対してぴったりのキャッチコピーに変更するなどの施策が具体的に見えてきます。

 

ターゲット

ターゲットは、目的で設定した事柄を誰に対して知らせていくか?という事です。
ここで重要なのは、「より具体的に決める」という事です。

例:「安くて簡単で儲かる新規事業を探している中小企業の経営者」
(性別、年齢、人となり、価値観、好き嫌いなど)

ターゲットを具体的にすることにより、ホームページでうたっていくキャッチコピー、内容などが、より響くものになってきます。
そして、そのターゲットがどんな行動をするかを想像します。
例えば、パソコンの前に座り → 頭の中で検索キーワードを想像し打ち込み → 検索結果画面の内容を見てクリックし → ホームページに流入してきます。
流入後、どの内容に反応し、最終のゴールまでたどり着くか・・・
ターゲットをより具体的に決めることによって、その人にピッタリのホームページができるのです。

 

決め手となる切り口、強み(優位性)

当たり前ですが、お客さんは商品やサービスを買うときに失敗をしたくありません。

そこで、あれこれと比較するわけです。

目的で決めた自社の商品・サービスが、他社と比べたとき、どの点において優位に立てるのか?

ここが重要になってきます。

 

当社の集客専用ページを例にとって説明します。

目的は「売り上げの上がるホームページ制作会社を探している人から、無料ホームページ診断の問い合わせを取得する」です。

 

当社の強みは「ホームページで売り上げを上げる」というところなんですが、お客さんは信用しません。

そこで理由が必要になってきます。

「ホームページで売り上げを上げる為に、重要なことが3つあります」と・・

一つは「コンセプトワーク」、そして「ホームページへの集客の仕組み」、最後に「ページ改善」。

それぞれに対して、それが達成できる理由を示していきます。

 

『コンセプトワーク』が他よりも優位な理由は「社長道場の塾長で、中小企業の社長に対して指導し、売上アップに貢献している雑誌の特集記事を掲載」。

『集客』が他よりも優位な理由は「会社名を明かした成功事例」。

『ページ改善』が他よりも優位な理由は「上級ウェブ解析士5名、解析士1名、ITコーディネーター1名、在籍」。

 このように、他社よりも優位に立って「ホームページで売り上げを上げる」という点について達成できる理由を示していきます。

そして最後に地域を絞ることによって「地域ナンバーワン」をアピールするのです。

 もう一度言います。

「お客さんは、商品やサービスを買うときに失敗をしたくありません」

一番良い商品、サービスを望んでいます。

 

ゴール

検索エンジンにて検索し、いよいよホームページに訪問してくれました。
そしてキャッチコピー、内容などを読み、お客さんは納得しました。
ここで重要となってくるのが「ゴール」です。

いきなり「買ってくれ!」と畳みかけるのではなく、
「無料相談会」
「無料診断」
「無料見学会」
「情報集の無料ダウンロード」
などで、お客さんとの接点を作りに行きます。
要するに、お客さんが問い合わせしやすいように「敷居を下げる」わけです。
そして、入力フォームも最低限、お客さんとコミュニケーションが取れる情報のみに絞り込み、最適化していきます。
様々な会社のホームページを解析して分かったのは、「ゴール」を改善するのが一番効果的だという事です。

 

キーワード

お客さん(ターゲット)が自社の商品、サービスを探すとき、「どのようなキーワードで探すか」を推測し、キーワードツールで分析します。
(googleのキーワードプランナーなど)

例えば、パスタ店のオーナーが、インターネットからの集客を考えた時、採用するキーワードは「パスタ」とか「スパゲッティ」などがあります。
これらのキーワードの月間検索数を先のツールで調べてみると
スパゲッティ(135,000件)
パスタ(823,000件)
約6倍も違います。
設定するキーワードによって、マーケットの大きさがこんなにも変わるのです。

キーワードは、お客さん(ターゲット)に応じて変わります。
「今すぐ欲しいお客さん」と「そのうち買おうと悩んでいるお客さん」。
太陽光発電をしたい人を例にとると、今すぐ欲しいお客さんは

「太陽光発電 価格」
「ソーラーパネル 価格」

などのキーワードで検索してきます。

そのうち買おうと悩んでいるお客さんは

「太陽光発電 メリット」
「太陽光発電 デメリット」
「太陽光発電 耐用年数」

などのキーワードで検索してきます。

それぞれのお客さんに合わせ、キーワードとランディングページ(着地ページ)をピッタリ合ったものにしいていかなければいけません。
先に登場したターゲットに合わせて考えてみましょう。

実際に問い合わせのあるキーワードは、キーワードツールだけでは探せません。
キーワードを想像してキーワードツールにかけてみると、月間検索数はたくさんある。
しかし、アクセスが多い少ないだけではなく、「悩みが深い、関心が高い」といったキーワードの方が、問い合わせにつながる確率が高いのです。
お客さんの立場に立ち、まずは自分の頭でキーワードを想像し、その後キーワードツールを使うという手順をお勧めします。

それでは「悩みが深い、関心が高い」というのはどういったキーワードなのでしょうか?

「讃岐うどん」
といったキーワードは月間検索数がたくさんあります。
しかし言葉の定義が知りたいとか、讃岐うどんの作り方が知りたいとか、身体に良いか悪いかが知りたい、といった様々なニーズが含まれています。
「讃岐うどん 通販」
「讃岐うどん ランキング」
のようなキーワードは、讃岐うどんを取り寄せたい、美味しい讃岐うどん店を探している「関心の高いユーザー」を集めることができます。

このように、キーワードツールにだけ頼るキーワード選びではなく「悩みが深い、関心が高い」といった基準で問い合わせにつながるキーワードを発掘してください。

 

コンセプトワーク成功事例

(電気工事会社の成功事例)

『目的』を「太陽光発電施工の問い合わせを取得する」としました。

このように目的を絞り込む事で、ターゲットやゴール、キーワードなどが明確になりました。

そして『目標』を「月間15件の問い合わせを取得する」としました。

具体的な数値目標を立てることにより、やるべき施策が見えてきました。

『ターゲット』を「太陽光発電を投資に使いたい人」としました。

ターゲットを絞り込む事によって、切り口、強み、響くキャッチコピー、コンテンツ、キーワードなどが絞り込まれてきます。

つぎに『切り口』を「投資利回り、回収期間」とし、『強み』を「1. 太陽光パネルの価格が安い。 2. 完全自社施工で高い品質。 3. 営業コストがかからない。」という風に設定し、それぞれの理由を掲載しました。

『ゴール』を「無料シミュレーション」として個別に投資利回り、回収期間を相談できるよう敷居を低くしました。

『キーワード』は「直接的、間接的なキーワード」を設定。

直接的なキーワードとしては

「太陽光 地域」

「太陽光発電 地域」

「太陽光発電 投資」

などとし、間接的キーワードは

「高利回り 投資」

「効率的な投資」

と設定。